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阿蘇の田舎の絵本屋


by taketonbon
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ニルスのふしぎな旅

ニルスのふしぎな旅を半年かけてやっと読み終えました。
予想していた通り、最後は涙で視界が曇るほどでした。
おばさんだから、涙もろいんですけどね。

ですが、本当に素晴らしい物語でした。
他にどんな言葉があるかしら・・・。

今、一番子どもに薦めたい本です。

この物語は、ニルスが小人にさせられて、
スウェーデンを南から北へ一周するお話です。
その壮大な物語の中に、数々の昔話や言い伝えが散りばめれ、
また、その場所に住む人々や動物たちもたくさん登場します。

どれもがぐぐっと入り込んでしまうものばかりで、
意外にもそっけないそれぞれの章の終わりに
深い深い余韻が残ります。

そう、人間や動物たちの死というものも身近に描かれていて、
昔は、生きるということも大変な時代だったんだなぁと思ったり・・・。

このニルスの物語も生誕100年を迎えたそうです。
100年も世界各国で色あせることなく読み継がれる物語。

こんなに素晴らしい物語に出会えて本当に良かった・・・そんな1冊。
読まないでいるのは損です。ハッキリと言い切ります(笑)。

ただ、あの上下の2冊組みは、
子ども達にとってはどうなのだろうと思います。
福音館の古典シリーズが文庫化していますが、
早くこれもそうなってほしいと願っています。

あまりに面白いと私が言っていたので、
小4の息子が1章だけ読んでいました。
まだちょっと言葉が難しいし、離れていると「これなに~!?」と
すぐにお呼びがかかります。

子どもに言葉の意味を教えるということの難しさも、
今、実感しております。
結局、辞書をひくのですけどね。

「意外と面白い」というのが彼の感想で、
「お父さんとお母さんが教会へ行ってる時に、
小人にされられるとたいね~。」とか、
「あのガチョウ飛んだけん!」とか言ってます。

正直、私はニルスがどんな状況で小人にさせられるかなんて
すっかり忘れてしまっていたんですよね。
読んだことの半分は消えてしまう大人の脳で
これだけのことを感じたのだから、
子どもの頭で読むことができたら、
一生の財産になるんじゃないか・・・とまで思います。

皆さま、ぜひ、ご一読を!!

ニルスのふしぎな旅
セルマ・ラーゲルレーヴ作 菱木晃子・訳
福音館書店 上下巻 各2415円
読み物=小学校高学年から

by taketonbon | 2010-11-04 12:09 | 本棚